園教室で思わず笑顔になってしまう出来事がありました。
教室の近くに貼ってあった「トイレのみ」という張り紙。
年長さんのひとりが
私のところへ来て、
「先生、『トイレの、み』ってなあに?」
と、真剣な表情で質問してくれたのです。
最初?何のことだろうと思っていたら、張り紙を指さして
「といれ・の・み」と一文字ずつ読んで「ねぇなぁに?」と。
保護者の方にそのお話をすると、思わず納得。
「『アイスの実』が大好きなんです。」
そう教えてくださいました。
なるほど。
このお子さんにとって「〇〇の実」という言葉は、とても身近なもの。
だから「トイレのみ」を見て、
「トイレの実」という言葉だと思ったのですね。
大人から見ると、思わずクスッと笑ってしまう出来事ですが、実はとても大切なこと。
子どもは、自分が体験したことをもとに世界を理解しています。
見たこと、聞いたこと、触れたこと、遊んだこと…。
その一つひとつの経験が積み重なって、「ことば」の意味を覚え、新しいことを理解していくのです。
だからこそ、小さい頃の体験は宝物です。
絵本を読むこと。
お散歩をすること。
季節の花や虫に触れること。
お料理のお手伝いをすること。
たくさんお話をすること。
特別なことではなく、毎日の何気ない経験の積み重ねが、子どもの語彙や考える力を豊かに育ててくれます。
今回の「トイレの『み』ってなあに?」というかわいらしい一言は、その子が今まで積み重ねてきた経験があったからこその質問でした。
「間違えた」のではありません。
一生懸命、自分の知っている知識を使って考えた証です。
そんな姿を見るたびに、子どもは毎日たくさんのことを吸収しながら成長しているのだと感じます。
私たち大人は、正解を教えることも大切ですが、それ以上に「どうしてそう思ったの?」と耳を傾け、その子の考えを受け止めてあげたいものです。
子どものかわいい勘違いの中には、成長のヒントがたくさん隠れています。
これからも教室で出会う子どもたちの「なぜ?」「どうして?」を大切にしながら、一人ひとりの学びを見守っていきたいと思います。
